春にしては暑すぎた火曜日の午前中。

容赦なく降り注ぐ太陽の光で頭の中がじりじり痛んだ。


ドラコはまだ大きな土塊の転がる畑にいた。


こんな土壌条件の場所を畑と呼んでいいのだろうか?



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正直、ウンザリしていた。


早起きなんて苦手なのに、スズメさんが元気にチュンチュン鳴きだす前の早い時間から、過酷な畑での作業なのだから。



しかも前日は飲み会で、見た目の怖ーいオジサンのつまらない人生論を笑顔で聞くという苦行を強いられていたのに。


二日酔いもあって、土に足を取られてよろけること数回。



もう、ホントにここは耕起されたあとの畑なのだろうか。


恨めしく一番でっかい土塊を思い切り蹴っ飛ばした。

痛い。

とても痛い。

石じゃんこれ。


ドラコ涙目。


心の中で悪態をつき、早く終わらせることを考えて作業に没頭した。


何の作業かというと牛フン堆肥を畑に手動で撒くのだ。


そう手動!


こんなに科学技術が発達しているご時世だというのに、まさかの手動。


心の穢れた人間には、汚れた作業が似合っているのかもしれない。


堆肥とはいっても「うっ」って顔をしかめたくなるような臭いはするし
発酵熱で触ると火傷するんじゃないかってくらい熱い。


近くにいた人に堆肥を指差して
 「これ、ゆで卵できそうだよね」 
と言ってみたところ
 「汚いから食べたくない」 
と、とても嫌な顔をされた。



熱さの例えじゃないか・・・。



ふと足元を見ると、小さなトノサマガエルさんがゴツゴツの土の上に、ちょこんといた。


その時だった。



ただ堆肥を乗せて運ぶだけの機械が人間に操られて
ゴゴゴゴゴゴ
とやってきた。



このままでは・・・!


トノサマガエルさんが牛フンにまみれて、ペシャンコに潰されてしまう!!




そこでドラコのとった行動とは!?





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ドラコは自己満足していた。
カエルさんを助けたのだと。

本当に助かったのかは謎だ。
草むらに着地したのだから助かったはずなのだ。そう信じたい。

落下したときの重力が月と同じ地球の1/6になっていることを願う。


カエルさんが両手両足を広げてぶっ飛んでいく様を見た後輩が、腹を抱えて笑っていた。


「ひどい!カエルさんを笑うなんて!」
と、控えめに詰った。
 「ドラコさんを笑ったんです」 
と真顔で返されてしまった。


堆肥をお腹にぶつけておいた。






カエルさんたち!畑に来ちゃだめだよ!!
田んぼで泳いでいてよ!
畑なんかカラッカラなんだからさ!!





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